家族信託
- 認知症型の場合、後見よりも簡易迅速かつ便利
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家族法信託は、信託は所有権移転原因と申し上げました。したがって、本人の判断能力が認知症で売買時点において衰えていても、信託時に衰えてなければ問題はありません。椎羅さんが息子の鈴世さんに信託をして受託者とした場合、鈴世さんは独自に管理・処分権を持っていることになります。そして、鈴世さんの権限で独自に銀行の手続もすることができるようになります。
預金を引き出したり、振込手続を行ったりと、スムーズに財産を管理することができます。
信託財産は、相続の対象にならないというメリットもあります。椎羅さんには、長女と長男がいますが、信託財産は既に鈴世さんの名義になり独立性を持っていますので、椎羅さんが亡くなっても相続は発生しないことになります。信託の対象になっていなければ相続財産になるのは当然のことですが、家族法信託をしていれば、相続の対象とならないというのは、承継を考えるポイントとなります。