家族信託
- 家族信託とよばれる民事信託にはどういうものがあるの?
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使いようによっては、配偶者の権利をよりよく守ることもできます。また、建付けが不便な後見人制度の代わりになり、任意後見契約よりも、目的がクリアというのが、家族信託とよばれる民事信託のメリットといえそうです。
さて、民事信託には、契約信託、遺言信託、自己信託の3つがあります。
さてとはいうものの、家族信託=民事信託=契約信託と考えて良いと思います。
遺言による信託はあるのですが、遺言の中に信託する旨を記し、遺言の効力が発生したとき、つまり死亡時に信託をスタートさせるものですが、やはり死亡時の効力発生というのは不安がつきまとうものです。でしたら遺言でも良いのではないか、という討議もありましょう。遺言信託の良いところは、自分ひとりでも、遺言を書き信託の内容を定めることができる、というものです。とはいうものの、受託者が受託者になることを拒否することも多いですから現実的ではありません。ですから、遺言信託より契約信託の方が、後見人として動くような役回りの受託者が決まらず宙ぶらりんになるリスクがあるのでおすすめはできないということです。
その他、自己信託というものもあることはあるのですが、基本的には不動産の自己賃貸をイメージしてくだされば分かるのではないでしょうか。つまり、不動産を受益権化しておく、ということで、その後で適当な受託者をみつけたり贈与したりするということなのですが、この自己信託、自分が自分にお金を預けることですから、そんなことあんの??というように思われませんか。こういう次第ですので、いわゆる1年ルールというものがありまして、自己信託は期限が1年ということになります。また、自己契約は、自分が自分に信託していますから認知症等の対策にならないことには注意が必要です。