家族法Q&A

家族信託

成年後見制度を利用して信託はできますか。

結論からいうと、成年後見制度と民事信託ないし家族信託は競合する制度なんだと思います。

 

したがって、競合する以上は、成年後見制度を利用して信託をすることは難しい、というのが一般です。

 

そもそも後見人は裁判所に選任されていますので、信託という行為を裁判所が一種の財産の処分行為と判断するのが相当ではないかと思います。

 

したがって、後見人は自由に信託はできないと思うのです。

 

後見人は財産の保全が目的ですので、例外的な状況で利用を検討する場面は、家庭裁判所への相談が必要になりますが、なぜ信託なのか、を説明するのはなかなか難しいと思います。

 

成年後見制度は、緊急避難的なものです。その結果、不動産の売却もできなくなりますし、二次相続以降の承継先を決めるつもりはないということが前提のように思われます。このような場合は成年後見制度でも対応することができます。

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