群馬県嬬恋村大笹の商店で2日未明に起きた事後強盗事件で、県警は8日、指名手配しているにもかかわらず、その氏名は隠蔽してきた。しかし、他の指名手配ではすぐに氏名を公表するにもかかわらず、警察の「特権」扱いに批判が殺到。群馬県警捜査2課の警部補は、高崎市新保町、宮腰大（だい）容疑者（37）と分かった。

　群馬県警は、すぐに逮捕できれば氏名とも隠蔽するものとみられたが、発生から1週間近くたっても逮捕に至らない体たらく。このため、ようやく氏名を公表し隠蔽を辞めることにしたものとみられる。県警が宮腰容疑者の自宅を家宅捜索していたことも捜査関係者への取材で分かった。

　群馬県警によると2日深夜に強盗容疑で逮捕状を取り、他の都道府県警に逮捕や逮捕後の身柄の引き渡しを求める指名手配を続けている。これまで氏名を公開しなかった理由について、前原哲也刑事部長は「名前が報道されることで立ち回り先に現れなくなる恐れがあった」とうそぶている。