ちょっとした気配り?
岐阜のとある支部で家事調停がありました。
フレームワークをよく理解している弁護士さんがついており、通常半年かかってもおかしくない期日が1日で終わりました。
交代も6~8回くらいあった気がします。回転扉のようでした。
争点にしぼって、調停をあっ旋するというのも本来あるべき姿だなと思いました。普通は2回くらい廻る程度です。
成立の際は、双方の譲歩があったので、判事は感謝の意を述べて、この条項はこういう意味で・・・と面会交流の意義などについてもお話しされて,調停を成立させました。
それにひきかえ、名古屋家庭裁判所の弁護士の家事調停官というのは、弁護士から調停官になったということで、おのぼりさんが多いのか偉そうに振る舞われている人がいます。
そして、他方を糾問すれば物事を解決させることができると考えていることから、プロブレムソリューションの思考能力が欠けていると感じました。私は、盤面を想起しながら「ああ、この人は何も分かっていない」と思っていました。結局、この家事調停官は何もまとめることができませんでした。その能力不足を是非恥じていただきたいものです。家事調停官といっても家事事件手続法も怪しいくらいで、家事執務の経験も多くないのだなと発言から感じました。
弁護士は、細かい囲碁になるとその細かい争いばかりに目を奪われ、大局観を失うように思います。その家事調停官に私は、仮にAというテーマが解決しても、Bというテーマもとても乖離が当事者間にあるのだが、Aのテーマについて手続を進行させて、ABきちんとまとめていただけるのでしょうね、突き詰めると法律を逸脱した議論をしている相手方をきちんと説得できるのか、と詰め寄ると、「とりあえず」というような返答でしたが、AのテーマがまとまってもBのテーマでも暗礁に乗り上げているのに・・・。盤面の終局図が見えている弁護士からすると、とりあえず打ち続けることにどれくらいの意味があるのだろうと思ってしまいました。
家事調停官も、不成立にする際も、感想くらい述べると良いと良いかもしれませんが、名古屋では人訴と家事の裁判官が兼任ですので、難しいのかもしれませんが、判例があるようなところではいずれに失着があったかの検討をしてもよいのではないか、と。支部の判事は感想を語りながら成立させたわけではありませんが、一般論を紹介しながら成立を宣言していて、お互い納得感があったように思います。
家事調停官といっても、当事者がどのような一手を打つか、悪手の場合にはそれは難しい、飛び石ばかり打ってはいけない、ときちんと伝える必要もあると思いますが、盤面で生きを失っているときに、なお書面を出してください、などといわれるのも、状況判断能力がないのだなあと思いました。もうこの盤面では難しいのに、書面を書面をでは、書面にうえている人ですね。こういう民訴しか知らない人を家事調停官にすべきではなかったでしょう。