弁護士会法律相談センター
弁護士にとっても、自分がいそがしくしている場合の窓口として紹介しやすいのは弁護士会の法律相談センターだ。
だが、年間1000万円から2000万円くらいの赤字を垂れ流している構造は変わらないらしい。
現在は、中日ビルから大東海ビルに移転してしまい、法律事務所の一角みたいな感じになってしまった。まどもない。
なぜ、このような記事を書いたかというと、弁護士会から法律相談センターについてどう思うか、というアンケートが来たからだが、匿名回答をしてもファックスで回答するのでどのみち匿名回答にならない。そして、役員の思惑というのは、第一、法律相談センターは素晴らしい、第二、赤字を垂れ流しても続ける意義はどこにあるのだろうかーという文脈の質問であった。
しかし、特定の弁護士を除いて、法律相談センターの割り当ては経営者弁護士は少ないこともあり、経営上のメリットはない。その分、会費を減らしてもらえた方が助かる。
割り当てがあってもいけば「本日はゼロです。わざわざこなくてもいいのに」と法律相談センター事務員からいわれる始末である。遅刻は遅刻で1分でも遅れれば減点ポイント制なるものを導入しているが、発想や着想が貧困だ。だから事務員に「わざわざこなくていいのに」などといえるのだ。
私は経営者弁護士であるから、第一、NPOなど非営利でも赤字では事業継続はできず無責任、第二、赤字を出すような事業はそもそも市民から求められていない―という点をよく意識している。こういう理論的視座からいうと、1年で交代する役員に経営など意識はできないのであって、非常に厳しい意見を差し上げることになってしまうので、事務所の弁護士と合議して回答すること自体、止めてしまった。しかし、耳の痛い意見をわざわざいう会員はいないのだな、という自覚もなると「裸の王様」か、「裸の将軍サマ」になってしまうのではないか。
法律相談センターの赤字はもう何年前からも議論している問題だ。いまさら礼賛のアンケートが送られてくることに失望してしまう。赤字解消の問題解決方法が何も提示されていなかったのだ。私が甚だ遺憾に思ったのは「法律相談センターが「ある」ことによってどのようなメリットがあると思いますか」という点である。反対に、法テラス相談もあるわけであるし「ない」ことによってどのような不都合があるのかを検討する方が有意であると思われる。
自分のやったことは間違いではない、と信じて、賛美することしかできないとは・・・。アンケートも弁護士の都合ばかりで、カスタマーファーストの考え方がなく当事務所の理念とも相いれないことから回答を止めてしまった。
まず、弁護士アクセスの件であるが、いわゆる定型的な弁護士業務については、それぞれの事務所が経営努力や法律相談をしており、「弁護士がみつからない」というケースはほとんどないと思われる。したがって、一部弁護士会でしかニーズがないと思われる法律相談を三の丸の弁護士会館で行えばよいのではないかと思う。裁判所のとなりであるし、不便とまではいえないだろうし、2000万円の赤字がなくなるのであればそれでよいのではないかと思う。また、打ち合わせの部屋も平日はガラガラで2部屋くらいの常時確保は可能のように思われる。司法書士会も会館で相談をしているし、会員の会館の私的利用も比較的自由という。しかし、弁護士会は、法律相談者も寄せ付けない、政治色の強い委員会をボランティアと称して行っているなど、ここで一度、都民ファーストではないが、名古屋市民ファーストに代えてみてはどうか。それがサービス業の原点といえると思うが。