弁護士コラム

理念

日経を読んで―権力のバランスを考えるとき

こどもの関係で、弁護士の職務として教員と面談したことがある。驕り高ぶるとはこのことで、つける薬はないということのようであった。名門私立であったことから、「嫌だったら辞めれば」という態度もみえみえであった。

 

6月25日付けに福田康夫元首相のインタビューで、「バランスが必要」との指摘が必要との記事が掲載された。

 

日経によると、今の安倍政権は官僚にもっと首相とのシンクロ率を高めて考え直してみろという求め方をする。まるでかつて批判された小沢政治そのものではないか。

 

福田氏の指摘は的確だ。別にその教員は理事長でも校長でもないのだが、学校法人はどうしても、理事長や校長は不在が多い。このため、権限の代行が多いが、その人自身が権力を持っていると錯覚してしまう、そう長期政権のマイナスの側面の指摘を福田氏は行っているが、私たちも顧みなければならないところも多い。

 

福田氏の指摘は、すべて腹に落ちるものではないが、「ポストを1年、2年で変えるのは広い視野を持つだけではなく、権力は持つが責任はとれない」従業員や官僚などであるから、長くいることによる弊害は避けないといけない、と指摘する。そのうえで、安部氏に意見をする。「話しをよく聞くことだ。リーダーは何でも知っているわけではなく、その日その場で勉強している。謙虚な気持ちでなければ務まらない。最近の官僚は官邸に行って上からの指示を仰ぐような気持ちでいる。何かあきらかめたような空気」と酷評する。

教員というのは、福田氏にいわせれば、「権力はあるが責任はとらない」無責任者だから、定期的に異動させないといけない、ということになろうか。氏のいうとおり権力の行使は極めて慎重で謙虚でなければならない。自分のみならず、当該教員にぶつけてみたい言葉である。

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