遺言・家族信託
家族信託│不動産の共有状態を解消したい。
松浦遊には、長男・朔、長女・立夏がいます。
ここでも不動産:収益不動産が一つ、預貯金は600万円です。
ところが、底地は、祖父からの相続の経過で、遊、朔、立夏の共有になっています。
現在は良いのですが、自然の摂理からいくと、年齢が高い遊さんが認知症になると不動産の処分・管理に支障が出ることが考えられました。
当代理人としては、収益不動産をみても相続税の心配はなさそうでしたので法人の設立に消極でした。もっとも、共有状態の解消は法人を設立するのがポイントともいえます。そこで、売買ではなく信託、家族信託を試みることにしたのです。
つまり、3人の共有でひとりが認知症になるとデッドロックになってしまうのですが、建物及び土地を法人に信託して、受益権として相続人全員に家賃収入を分配する方法を提案することにしました。委託者は,遊さん、朔さん、立夏さん。受託者は毎度おなじみの一般社団法人ママレード社団法人、受益者は、やはり3名にしておきます。仮に、遊さんがなくなった場合は、第二受益者として朔さん、立夏さんが引き継ぐようにしておきます。最終的に共有地は、不動産の信託を受けていた受託者である法人が売却をして、現金化するというところまで考えておきます。
信託の場合は、売買代金の準備は必要なく、譲渡所得税、不動産所得税は非課税、登録免許税は約5分の1で、不動産の名義を受託者である法人に移すことができます。
共有不動産の解消に関しましては、当代理人に対しても非常に相談が多いのですが、問題解決が難しいといえます。この点、信託を利用することにより、共有者の協力を得られやすいように感じるということになります。